壁の修繕の例

先月、塀を見てほしいという依頼がありました。

 

塀と言っても、一段上がった玄関にある、ポストとインターフォンのある短い塀の事で、電話で伺っていた通り、壁の真ん中に大きな亀裂が入っていました。

 

ひと通りお話しを伺うと、どうやら壁と家の1メートルぐらいしかない隙間に生えていた柿の木の勢いがよく大きくなりすぎてしまい、その根っこが塀の一部を持ち上げてしまい、それのせいで大きな亀裂が入ったとの事。

 

すでに柿の木は伐採されていたのですが、ひょっとするとまだ根が残っていて、それが膨らんだのかという疑いがあったので、念のため全体的に掘り起こしてみました。

結局中に残根は無かったので、綺麗に埋め戻し、もう一度その部分を地ならししました。ラッキーな事に亀裂自体に前後の段差はなく、ただ開いただけの2cmぐらい亀裂を埋めるという方向で修復する事を依頼主の方と相談して決めました。

 

南フランスの田舎の塀、みたいなイメージの味のある漆喰仕上げ、屋根代わりに耐火煉瓦、といったニュアンスで作られていたので、ペンキとかではなく、それ以上隙間が拡がらないようにカスガイ的な仕掛けをしたあと、ファイバーネットで両面から亀裂止めをし、白色セメントと軽量セメントで漆喰に似た印象で仕上げました。亀裂の穴埋めと同時に、古びたニュアンスを崩さないようにエイジングをする、しかも時間が経ってもおかしく見えないという、ちょっと難しいテクニックを発揮してみました。

 

実際とても満足いく仕上がりになりましたし、何よりも依頼主の方が喜んでくださったのでとても嬉しいです。